【人材育成 for DX】開催レポート #3「ダイハツから学ぶ、現場から始める全社におけるAI人材育成」

ゲスト:ダイハツ工業 太古 無限氏

座談会・質疑応答

 プレゼンテーション終了後、モデレーターの岡田と座談をしながら、参加者からの質問にお答えいただきました。個別の質問とともに、参加者から特に気になるテーマを投票していただくスタイルで進行します。特に「社内の巻き込み方の秘訣は?」への関心が高い参加者の方が多いようです。

 まずは岡田からの質問をご紹介。

――今回のセミナーは「現場から始める」がキーワードです。どの会社さんも、上司を巻き込んだり人事に提案したりするときに苦労されることが多いと聞きます。ポイントはありますか?

「まず巻き込み方については、小さく始めたところがポイントだったと思います。上から目をつけられると『勝手に何をやっているんだ』と止められてしまうこともあると思いますが、私たちはコソコソ隠れてやり始めました(笑)。

 もちろん、トップダウンに比べたらボトムアップは時間がかかります。それでも、『やらないといけない』というパーパスを持ってさえいれば、他部署での興味がある人や、自分と同じく苦労している人と水面下でつながることができる。そして、徐々に輪が広がっていくと思います。

 人事への提案に関しては、『絶対に必要なんですよ!』と熱量を持って訴えたことですかね。私は、人事のキーパーソンと話す場を何度も設けてもらって、しっかり話したら分かってもらえました。『AIの知識は全然わからない』ながらも、私の話に耳を傾けてくれる人にたまたま巡り合えたことも大きかったですね」

――他に、キーパーソンを巻き込んでいくところで、工夫されたことはありますか?

「AI活用事例共有会も大々的に始めるのではなく、少人数の身内だけで行いながら実績をつくっていきました。ある時、誰かが事例共有会のことを社長に報告したらしく、突然社長が参加。そこから急激に広まっていったというエピソードがあります。小さい活動であっても、見てくれる人は見てくれているのだと感じています」

――太古さんはかなり早い段階から「AIを民主化する」ことの重要性に気が付かれていました。なぜそのように思い至ったのでしょうか?

「表計算ソフトのExcelが登場した当初、『なんだこれは』『手書きの方が早いだろう』といった風潮がありましたが、今では誰も当たり前のようにExcelを使っていますよね。私もAIについての勉強を深めた結果、『AIもいずれExcelのようになるはず』『誰でも当たり前に使える時代が絶対に来る』と思うようになりました。機会学習もどんどん進化していく中で、『これは早くやらないといけない』と思い活動をスタートしました」

――実際に、どのような部署でどのような事例が生まれていますか?

「例えば工場部門では、画像やセンサーを使った事例が生まれています。人の目の部分を置き換えるところとして、異常検知や予知保全の事例は短期間で増えています。自動車メーカーは多種多様なデータが取れるんです。工場のデータ、走行データ、人事データなど、前処理をしなくてもいいデータを多く持っていたことも事例作りがしやすかった要因かもしれません」

 次に、参加者から寄せられた質問の一部をご紹介します。

――G検定・E検定の受験に際し、社内で受験料補助やお祝い金制度などはありますか?

「受験料補助はありません。私は『会社に払ってもらったら手抜きしちゃうな』という気持ちが心のどこかにあるので、自分で払うからこそ学ぶ気持ちになると思っています。ただ、G検定やE資格の受験のための教材費用は会社が負担します。『学ぶ環境は作るけど、最後やりきるところは自分で頑張ってね』ということですね。また、資格取得が人事評価への影響することもありません。あくまで学ぶきっかけ作りとして活用しています」


 太古さんには、セミナーの終了予定時間をオーバーするまで参加者から寄せられた質問にご丁寧にお答えいただき、大盛況の中セミナーは終了となりました。

 オンラインセミナー「人材育成 for DX」は今後もさまざまな企業の実践者をお招きし、月に一回のペースで継続して皆様にデジタル人材育成の事例をご紹介してまいります。