JDLAでは、デジタル人材育成に積極的に取り組む企業から学ぶ、無料ウェビナー「人材育成 for DX」を開催しています。このセミナーでは、DX推進の鍵となるデジタル人材育成に関して、毎回企業ゲストをお招きしながら様々な実際の取り組みをご紹介。そのノウハウを紐解き、お伝えします。

2022年3月24日(木)に開催した「人材育成 for DX #5」のゲストは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)の荻野 圭介(おぎの けいすけ)さん。ITソリューション企業として、AI活用を始め多様なDXプロジェクトを手がける同社は、自社の人材育成をどのように進めているのか。体系化されたその先進的な取り組みから、DXを着実に進めるためのノウハウを荻野さんから伺いました。
●登壇者紹介
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 エキスパートエンジニア
荻野 圭介(おぎの けいすけ)氏
1998年、某社にエンジニアとして就職。2006年に現職の伊藤忠テクノソリューションズ株式会社に転職。2017年、社内にてAI人材育成ワーキンググループを立ち上げる。2015年から日本OSS推進フォーラム(ビックデータ部会)一般会員、2018年からデータサイエンティスト協会 一般会員。また、日本ディープラーニング協会 G検定(2019#1)合格。
JDLA 理事/事務局長
岡田隆太朗(おかだ りゅうたろう)[モデレーター]
2017年、ディープラーニングの産業活用促進を目的に一般社団法人日本ディープラーニング協会を設立し、事務局長に就任。2018年より同理事兼任。緊急時の災害支援を実行する、一般社団法人災害時緊急支援プラットフォームを設立し、事務局長として就任。コミュニティ・オーガナイザーとして、数々の場作りを展開。
有志で立ち上げた「AI人材育成ワーキンググループ」
まず、JDLAの岡田から本セミナーシリーズの趣旨説明とデジタル人材育成が急務であるという現状の共有のほか、DX時代のすべてのビジネスパーソンが持つべき共通リテラシー領域「Di-Lite」についてご説明。その後、荻野さんによるプレゼンテーション「“DXド真ん中!” CTCが推進する、DXを導く人材の育成とは?」がスタートしました。
荻野
CTCがDX人材育成として取り組む「AI人材育成ワーキンググループ」。これは、私が所属する情報通信事業グループが2017年に、社内にDXやAIに関する育成体系が存在していなかった状況に危機感を持った有志が集まって立ち上げました。
当初は手探りで、反対派も多かったですが、各自が持つ社内外のコミュニケーションネットワークや、高い情熱と行動力をもったメンバ-と4年間進めてきたことで、多くの成果を上げることができました。
そもそも、“DX”とはビジネスモデルのトランスフォーメーション(変革)を指します。「DXをやらないと会社は成長できない」という人もいますが、デジタル技術はその切り口に過ぎません。AIやエッジコンピューティングなど様々な技術がある中で、どの技術を使ってビジネスをどう変えていくのかを考えなくてはなりません。
人材育成もDXと同様に、「デジタル技術を身につけることがゴール」ではなく、ゴールは常に変化するものだと考えています。この様々なゴールに向かって自主的に取り組んでいける人材を育成することが、CTCの人材育成のポイントです。
私たちのこの4年間の知見や経験からわかった、「失敗しないDXの人材育成」には3つのポイントがあります。それは「①教育STEPと定量可視化」「②挑戦を手助けする育成」「③新しい試みへのチャレンジ」です。これから、この3つを解説していきます。
