【人材育成 for DX】開催レポート #5「“DXド真ん中!” CTCが推進する、DXを導く人材の育成とは?」

ゲスト:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 エキスパートエンジニア 荻野 圭介氏

教育対象者の孤立を防ぐ

荻野

 まず、ポイント①「教育STEPと定量可視化」です。

 DX人材育成の目的は、「DX技術活用によってビジネス価値を生み出せる人材育成」です。しかし、世の中にある多くのDX教育は、DXの構成概要の知識を得ることにとどまり、その教育素材を活かせないことも多いです。

 例えば、Python演習や機械学習や概論で「知識を得た人材を5人つくれました」となっても、その5人が知識を活用する場がなく、先の見通しも立たなければ「次はどうすればいいのか」と悩んでしまう。こうして、教育対象が孤立してしまうのが、DX人材教育のよくある失敗パターンです。

 CTCでは、教育対象者の孤立を防ぐべく、「DX技術活用によってビジネスを生み出せる人材育成」の達成を「育成した結果から進化できること」「育成素材を利用して生涯学習等を自ら学習できること」と定義をしています。

荻野

 私たちの教育体系はSTEP1からSTEP7で構成されています。

 STEP1~3が基礎教育、STEP4~6が応用教育と分かれていて、基礎教育のSTEP1~3にはG検定やE資格の取得が含まれ、STEP4はAIを業務実演へのチャレンジ、STEP5は論文利用やKaggleなどコミュニティへの参加、STEP6はAIをビジネスの場での実務実践、STEP7はビジネス創造と設定しています。

 このように、基礎教育を学んだ人が進める道として応用教育の場をつくることで、教育者が自らビジネスへの活用をゴールに挑戦できる機会を提供しているのです。

 ポイントは、「いきなり人材はつくれない」ということ。例えば、E資格レベルの知識もなくいきなりハッカソンに参加して成果物を生み出すことは不可能なので、一つ一つ積み上げてこういった人材を育成していくことが重要です。

 また、STEP3を達成した全員が、4、5、6……と上位STEPの実行ができるわけではありません。例えば、STEP1でAIの基礎知識を学んだ700人のうちG検定を習得できた人は約250人というように、STEPをあげるごとに完遂者は3分の1ほどに減少する傾向が当然ながら現れます。

 つまり、上位レベルの育成者を作るためには、下位レベルの育成の底上げのための施策も必要だということです。